天才ニートくんの人生回顧録

W大学卒業後、ブラック企業退職を経て、借金200万の限界ニートです

第4話 ニートくん、初めての挫折

中学受験塾、日能研に小学4年生で入塾したニートくん。入塾テストの結果、母親の


英才教育の甲斐あってか、最初のクラスは4つのうち1番上の「R」クラスであった。


初回の授業での記憶は今でもうっすらと記憶の片隅に残っている。


初回の授業は、1コマ目理科、2コマ目算数であった。1コマは70分。


理科はおそらく植物の分類か、昆虫の体のつくりといった内容であった気がする。


算数は最初は数の性質といった、小学校ではまだ到底触れないような大きな数同士の


四則混合計算、逆算といった内容であっただろうと思う。


クラスの雰囲気は入塾初日ということもありアウェイという感じ。というのも、


中学受験塾には小学3年生から入塾しているさらに意識の高い連中がいるのだ。


人数のイメージとしては、小学3年生クラスは学力関係なく金曜クラスと土曜クラスに


分かれていて、それぞれ1クラス15人程度。学年30人程度であろうか。


一方、4年生からは新規の入塾者が増え、前述した通り私が4年生の時には4クラスで


あった。こちらは1クラス平均20人程度。学年80人程度のため、4年生からはおおよそ


新しく50人程度が入塾したというイメージである。


それであれば、新しく塾に入る子のほうが多いし、アウェイ感はあまりないのでは?


と思うかもしれないが、3年生から塾に入る意識の高い連中は頭のいい子の割合がそこそこ


高いのと、やはり小学生ながら1年先に入塾しているということは大きいため、


「R」クラスは3分の2程度が3年生から塾に入っている連中ばかりであった。


そんなクラスに新参者として飛び込んだ小学4年生のニートくん。


小学校ではどの授業でも積極的に手を挙げて答える姿勢、また、SAPIXの通信教育を


受けていたこともあり、意外にも算数の授業では小学3年生から入塾している連中と


授業中の挙手回答バトルにおいて善戦する。


その日、授業が終わって帰宅する際、すでに出来上がっている仲良しやんちゃグループの


3人組に絡まれた。


そのうちの1人には「お前生意気だな」的なニュアンスで暴言を吐かれ、そのコバンザメ


のような子には「キミ、今日から入ってきたのにすごいね!」との言葉をかけてもらった。


上背はあったのと、気は弱くなかったため、暴言を吐かれた程度で委縮することはなく、


むしろもう一人の子に持ち上げてもらったせいか、とても気分が良くなっていた。


そしてニートくんは思った。中学受験塾も大したことないなと。


別の曜日に国語と社会の授業を受け、さらに翌週も国算社理の授業を2日にわたって受けた


のち、ニートくんは入塾後初めてのテストを受けることになる。


小学4年生は2週間ごとにその期間で学んだ範囲に関して4科目のテストを土曜日に受ける。


授業中に内容を理解して、その練習問題を解いて挙手して答えることもできていたし、


家で解く用の塾オリジナルの問題集も該当する範囲は解いて丸付け、間違いなおしはした。


おそらく試験も大丈夫であろう。とニートくんは考えていた。


日能研という塾は、おそらく今でもそうであると思うが、最新の試験の成績順で次の試験


までの座席が決定する。イメージとしては、4教科の総合得点が高い順に、(〇は空席)



〇 3 1 2 4 〇


9 7 5 6 8 10


15 13 11 12 14 16
     ・
     ・
     ・


というような席順となっている。小学4年生から明らかに成績の優劣を意識させ、競わせる


構図となっているのだ。小学4年生は2週間ごとに試験と説明した通り、その間はこの席に


座ることになる。前回の成績が良かった時には優越感を覚えるが、その逆の時がきつい。


他の習い事と被る等、所用により土曜日に授業を受けることができなかった者は、強制的に


最下位の席に座ることになるのであるが、(大抵は日曜日等に試験は受けている。)


試験を受けれなかった者が複数いる場合には、最下位から複数番目までが試験未受験の子が


座るため、周りもそのように認知する。


ここまでですでにお分かりであろうか。どこまでが未受験で誰が土曜日に受けて純粋に


最下位なのかを探し始め出す残酷な者が小学4年生、小学5年生くらいまではいるのだ。


さらにお分かりいただけているかもしれないが、そう、最初の試験で私はクラスで最下位


であった。もちろんそれは私の次の順位の子が土曜日に未受験であったためである。


授業中にそれなりに理解して、それなりに練習問題が解けても、試験ではスコアを残せない


のだ。その理解をいつでも引き出し、応用問題を解けることができるように反復して


問題集も解く必要があり、試験前には社会や理科は当然のように暗記するフェーズを設け


なければならないのだ。


ニートくん、人生初の挫折である。中学受験塾も大したことないな、と有頂天になっていた


ニートくんの高い鼻はそこで挫かれたことを今でもよく覚えている。


小学4年生で挫折を味わったニートくんがどのように成長していくのか、またはさらに挫折


するのかについてまた次回以降詳しく書いていきたいと思う。


以上